人気ブロガーの死に思うこと
毎日更新される、とある人気ブログが、突如更新されなくなった。
3日が経ち、1週間が経ち、
ブログのファンからは、「どうした」「更新しろ」という愛のある罵倒が続く。
さらに1ヶ月が経つ。Twitterも更新されない。
以前も管理人は病気で1ヶ月くらい更新がなかったことがあり、その時はツイッターで報告があったらしい。
あいかわらず音沙汰がなく、コメント欄には心配や更新再開を望む声が続く。
そしていよいよ死亡説まで出始める・・・。
さらに2〜3ヶ月が経つ
2ヶ月、3ヶ月が経つ。
死亡説が有力となってくる。
もしくは引退か?それなら一言くらいは欲しい。
さらに時間が経ち、
Naverまとめや2chでも失踪説、死亡説、引退説それぞれの議論が続く。
そんな中、ブログの管理人の友人と名乗る男から
「交通事故で亡くなった」との2chへの書き込みがあった。
もちろん、いたずらやなりすましの可能性は高い。
でも、友人でしか知り得ないであろう、かなりリアリティがある内容も含まれていた。
半年が経ち、今でもコメント欄は雑談の場所として賑わっている。
「はやくもどってこい、アホ」といった愛のある罵倒がそこには並んでいる。
本当のところはわからないが、これはなかなか、ブロガー冥利につきるのではないだろうか。なぜなら、ほとんどの場合は、ひっそりとブログが閉鎖されていくだけだ。
けれど、このブログ、そしてブログの管理人は、少なくとも、ブログのドメインが切れないうちは、忘れ去られることはないだろう・・・。
この一連の流れを僕は眺めながら、ブロガーの死後について、いくつか思うことがあった。
ブロガーの死後の遺産について
たとえば、ブログの資産としての役割だ。
当然、アドセンスやアフィリエイト報酬は、ブログの更新をやめてからも入り続ける。
取り扱うジャンルにもよるが、ものによってはアクセスや収益が何年も廃れないものもあるだろう。これらは、ドメインさえ更新しておけば、放置でお金が入り続けるのだ。
逆にいえば、ドメインを失効してしまえば、資産が消滅してしまうというわけ。
人気ブログというのは、売れば、何百万円やそれ以上の資産価値があるものもある。
これをみすみす捨てるのはあまりにも勿体無い。
だから、家族にブログの存在を内緒にしている人は、自分の死を悟ったら、ドメインをできるだけ長く更新しておいたり、自動でドメインを更新できるよう設定しておくことで、取りこぼしなく家族へ遺産を渡すことができるだろう。
もしくは、遺書にはブログのIDとパスワード、ドメインの更新方法を一緒にメモするのが良いのかもしれない・・・。
いやはや、すごい時代だ。
ブロガーの葬式
また、
「死に際にはもっと多くの人に、自分の死を惜しんで欲しい。」
こう思うのが人の性。
ブログを実名を避けてやっていれば当然、その時がきても自分自身の死は悲しんでもらえない。あなたの姿形を読者が知らない以上、それは仕方ないのだ。
われわれの承認欲求を最後の最後に、最大限満たす場所である「葬式」
葬式の時に悲しんでもらうには、ブロガーは実物を晒してブログをするしかない。
本でも音楽でも映画でもなんでもいいが、多くの生身の人間に囲まれ、やるしかない。
死ぬその瞬間を強く意識するのであれば、今からでも「実際のあなた自身」で、読者を掴んでいけるようなブログを作っていくべきかもしれない・・・。
そしてブログだけでなく、もっと直接的な人との関わりも大切にすべきだろう。
ブログの存在を明かせるリアルの友人を作るとか、「いざとなったらしっかりと悲しんでもらえる状況作り」というのも考えるべきかもしれない。
それはそれでゲスいか・・・。
P.S.
芸能人が亡くなった時には、その芸能人がブログやツイッターをやっていれば多くの人がそこに集まり、その場所を大事にしてくれる。
たとえば、飯島愛さんのブログは両親が7年間以上、存続させていたらしい。今はもう完全に消えてしまったようで残念ですが、1年に1回は復活するとか、永遠に続くサービスがあればいいんだけれどね。
なんにせよ、あなたがブログやソーシャルをやっているのであれば、多少なり死を意識して運営する必要があるようです。笑